年度末進行であっぷあっぷで申し訳ございません>各方面

唱歌と国語  明治近代化の装置 (講談社選書メチエ)

唱歌と国語 明治近代化の装置 (講談社選書メチエ)

阪大時代からの長きに渡る畏友、山東功氏は近代国語学史が専門(にとどまらずその博識多才能弁風雅は、私ごときに比べて云々するのもおこがましい抜きん出た俊才であることは平成2年度文学部入学組を知る者なら誰しも同意、どころか前提であろう)なのだが、元天王寺高校吹奏楽部指揮者の経歴からして音楽研究に侵攻(笑)してくるだろうことは時間の問題でもあった。紀要などにひそかに発表されてきた唱歌研究がついに公刊。書店で見つけて速攻で買った次の日にご恵投賜りました。ありがと>山ちゃん。近代日本文化の各所で進行していた文化の「文法」化の展開として唱歌史を位置づける発想は音楽学者からは出難いものだろう。精細な資料調査の粋はいうまでもない。どんと一押し。というか友人としては「出たよ例の山ちゃん節」が抑制された筆致の隙間からも多々伺えて(笑)とても愉しいものである。君が代のとことか。日本音楽学会のシンポジウムあたりであのそらとぼけた毒舌を堪能したいものであるが、いかがなものか>各方面。


他、このところご恵投いただきました。どうもありがとうございました(読む余裕なくすみません…)

魅せられた身体―旅する音楽家コリン・マクフィーとその時代

魅せられた身体―旅する音楽家コリン・マクフィーとその時代

サウンド・アナトミア―高柳昌行の探究と音響の起源

サウンド・アナトミア―高柳昌行の探究と音響の起源

音楽を動員せよ―統制と娯楽の十五年戦争 (越境する近代 5)

音楽を動員せよ―統制と娯楽の十五年戦争 (越境する近代 5)

どれもむちゃくちゃ面白そう。最近音楽研究書(それも狭義のポピュラー音楽研究にも、従来型のクラシック本とも、民族音楽学の範疇に収まるものとも違うもの)に良書が目立つ気がします。キャッチアップにひいひいゆうてるようじゃあかんけどなあ。

あと、内田教徒本年の教典第一弾(笑)も。ありがとうございました。

ひとりでは生きられないのも芸のうち

ひとりでは生きられないのも芸のうち