40歳からの凧揚げ入門

新型コロナ騒ぎで学校が休校になり、お子さんのおられるご家庭では子供たちが朝から家でゴロゴロしていることかと思います(うちもそうです)。

 

退屈した子供たちをどこかに遊びに連れて行こうと考えても、遊園地や公共施設も休業が多く、また様々なイベントも中止になったりスポーツの試合なども無観客で行われ、「どこにも行くところがない」ご家庭も全国たくさんあろうかと思います。

 

子供たちは家にこもってばかりではストレスをためるばかりです。

 

かといってかろうじて営業している場所も人混みの屋内が大半で、感染防止の観点からは不安が残ります。

 

大丈夫です。

子供たちのストレスを解消しかつ手間もお金もさほどかからない格好のレジャーがあります。

 

凧揚げです。

 

広々とした屋外で爽快ですし、人混みから離れて行うので濃厚接触の心配もありません。

さほど体力も必要ありませんし誰でも楽しめます。

いいことづくめです。

まさにこのコロナ騒ぎに伴う学校休業のためにあるレジャーと言えましょう。

 

私は2年ほど前からなぜか凧揚げに異様に熱中するようになり、あれこれ凧や関連装備を買いあさり、暇さえあれば近所の凧揚げフィールドをめぐる日々を送ってきました。

 

趣味としての凧揚げを楽しむ人はそこそこいます。

しかし凧揚げに関する情報は少なく(現在入手可能な凧揚げに関する専門書籍はほぼ皆無です)これから凧揚げを始めようと思い立った人への手軽なガイドはほとんどありません。

そのため「凧揚げやってみたい」と思っても一歩を踏み出せない方も多いと思います。

 

この記事では「家にこもっててもストレスたまるし、子供連れて凧揚げでもやってみようかな?」と思いついた大人に向けて、アマゾンなどでかんたんに安く入手でき、かつ「凧揚げの面白さ」をもっとも味わえるであろう凧やその装備を紹介します。

 

ゲイラカイト以来何十年かぶりに凧揚げする40歳くらいの方に向けた「大人の凧揚げ」ガイドとご理解ください。

 

「結局なにをまず買えば楽しく凧揚げできるの?」だけ知りたい人は最後の「5.まとめ」だけ読めばよいようになってます。飛ばしてそちらをお読みください。

 

1.凧本体について

 

まず必要なのは凧ですが、現在の凧は大きくわけてシングルライン(一本糸)用とマルチライン(複数糸)用に分かれています。

 

シングルラインはよく見る一般的な凧です。

 

マルチラインは複数の糸で揚げる凧で、糸の操作で凧を自由にコントロールすることができます(競技スポーツもあります)。デュアルライン(2本糸)やクアッドライン(4本糸)がポピュラーです。凧のラジコンのようなものです。

私は現在むしろこちらの方に熱中しているのですが、マルチラインの解説を始めると記事が終わらなくなりますので、まずは一般的なシングルラインカイトについて説明したいと思います。

 

一般的なシングルラインカイトは多種多様なものがありますが、竹ひごやファイバーの骨組みがありそこに紙やビニール、ナイロンを貼った、奴凧のような和凧やゲイラカイトのような洋凧をイメージする人が多いでしょう。

 

ゲイラカイトはブームが去った今でもアマゾンなどで普通に売ってます。今でもよく揚がります。

ゲイラカイト スカイスパイ [並行輸入品]

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しかし2020年の今、断然おすすめするのはフォイルカイト(骨無し凧)です。現在のフォイルカイトはものすごく進化してまして、安いのにびっくりするくらいよく揚がり、かつ骨がないので落下しても比較的安全です(もちろん人に落下させないよう細心の注意を払うのが凧揚げ人の務めです)。

シングルラインのフォイルカイトは現在いろいろな種類のものが流通しています。

例えばこれ。(私は現在のメインカイトといえるほど愛用しています)

1000円程度ですがほんとうによく揚がり、たたむとポケットに入る大きさになり持ち運びも便利。ナイロン製で丈夫で長持ちします。

このタイプの「タコの凧」はアマゾンでいろいろ売ってますがどれもほぼ同じ構造で、どれを購入しても大差ないでしょう。

大きさにはいくつか種類がありますが、特に表記がないものは全長(脚含む)4m幅70cmくらいのタイプで、そのサイズが標準のようです。

カラーもさまざまなのでお気に入りのものを。色とりどりの脚がたなびいて空に映えます。

 

↓は3mタイプ。さらに小さくなります。

私はこれを仕事用バッグに常時携行し、隙あらば凧揚げの機会を狙っています(笑)

上記4mタイプの方が微風でもよく揚がりますので最初はそちらがおすすめ。 

 

子供と同時に揚げるのでしたら2個セットもアマゾンにはいろいろあります。お好みのものを探してみましょう。

 

あとこれも楽しいです。クジラ(というかイルカ?)凧。

かなり大きく、揚げると子供の注目の的。それでもたたむとかなりコンパクト。これもいろいろなタイプがあります。揚げるのに少しコツがいりますので、タコの凧に慣れたら次のステップに最適です。

 

フォイルカイトではないですが、連凧もいまは安いのがあります。

また意外に連凧は単独の凧よりも風をつかみやすく、微風でも他の凧よりうまく揚がりやすいケースが多いです。これはよく売ってますが安いので一つ持っておくと楽しいです。

池田工業社 凧 カイト 7連凧 凧糸35m付き 000042710
 

私はこの連凧を二つ繋げ、14連凧にして揚げています。連凧特有の華やかさがあってよいです。

連凧は糸が絡みやすいので、収納の際には要注意。

 

凧揚げで意外に盲点となるのは収納です。上記の連凧は比較的小ぶりなのでアナログレコードが入るくらいの大きさの袋に収納できますが、ゲイラカイトのような安い骨つき凧はかさばるわりにたためないことが多いので、保管に苦労します。

こんにちの凧は収納性がとても重要です(その点でもフォイルカイトに優位性があります)。骨つき凧も収納性を重視して選ぶとよいでしょう。

 

アマゾンでよく見かけるこのタイプのレインボーカラーの骨つき凧なら、大きめでよく揚がりますが折りたたんで細長く収納できます。素材もビニールではなくナイロンで丈夫です。

フォイルカイトと骨つき凧は揚げたときの感触がけっこう異なります。フォイルカイトが風に身を委ねてたゆたう柔らかな感覚としたら、骨つき凧はぐいっと風に対して受けて立つような硬質な感触があります。双方を揚げ比べるのも楽しいところです。

 

2.ラインワインダー(糸巻き)の重要性

 

と、いくつかアマゾンで買える安い凧を紹介してきましたが、しかし大人の凧揚げで重要なのは凧よりもむしろラインワインダー(糸巻き)の方なのです。

 

上記で紹介した凧にはすぐ揚げられるように糸と糸巻きが一応付属してきますが、こういった凧に付属している糸巻きは小型化と廉価化を優先しているため、実際には使いにくいものが多い。

そういった糸巻きで揚げてるとストレスがたまります。大人の凧揚げにストレスは無用です。

ちゃんとしたワインダーがひとつあるだけで凧揚げの楽しみはまったくの異次元に突入するのです。

 

凧に付随している簡易な糸巻きは例えばこういったタイプのものです。

この糸巻きで100m揚げて、それを巻き取る苦労を想像してみてください。

ほんまに大変です。やってられない。

日本で凧揚げが子供の季節的な遊びにとどまり、一年通した趣味としていまひとつメジャーなかたちで定着しきれなかった要因のひとつは糸巻きの軽視にあると個人的には思っております。

 

そうです。リールワインダーは大人の凧揚げに必須の装備といえましょう。

凧揚げの快楽とは凧が風を受けて「シュー」っと勢いよく上昇していく爽快感です。ちまちました糸巻きとはその爽快感が全然違うのです。 

EMMAKITESのこのシリーズは作りもしっかりしており、ストッパーなどもあって使いやすいです(いくつかの大きさがあります)。

(3月9日注記:リールワインダーには「ライン(糸)」が付属しているものと、ワインダー単体のみのものがありますので購入の際は注意してください。ワインダー単体のみのものは追加でラインを購入する必要があります)

 

シングルラインの凧揚げでは凧がどこまで高く揚がるかを楽しむので、気がつくと長大なラインが空を舞うことになるのですが、長々と繰り出したラインをスムーズに巻き取るのは想像以上に骨が折れます。このリールワインダーなら楽勝です。

あと、凧揚げは結構目立つので、もたもたと糸などを巻き取っていると周りの目が気になるものです。

凧が目標高度まで揚がったらリールワインダーでスピーディにラインを回収し、フォイルカイトをさっとコンパクトにたたんでその場を立ち去る。スマートな大人の凧揚げという感じですね。

 

EMMAKITESはかっこいいですがちょっと高価なので、こちらの手軽な方でも回転に関わるベアリングなどの機能的にはまったく遜色ありません(私はこれを常用しています)。付属のライン(糸)については後述します。

 

 

しかしこれらのリールワインダーは結構大きくかさばりますので携帯には向きません。

その中間的なものとしてヨーヨーワインダー(リングワインダー、フープワインダー)というタイプがあります。巻き取るのは手作業でやや骨ですが(それでも簡易な糸巻きに比べればかなり楽です)「シュー」っと凧の上昇に伴って糸が出て回転する爽快感はリールワインダーと変わりません。

むしろ手の中でワインダーが回転しつつ凧が上昇していく感触には、リールワインダーともまた違ったダイレクトな爽快感があります。これもまたやみつきになります。

池田工業社 凧糸 リングワインダー

池田工業社 凧糸 リングワインダー

  • 発売日: 2014/10/01
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

ヨーヨーワインダーは手で握りを調節しながらラインを出していくので、「滑り」がかなり爽快感を左右します。この手のヨーヨーワインダーは、アメリカではシングルラインカイトの標準的な付属品になっているようで、いろんなタイプのものがあります。

私が使用したものの中では米PrismKite社のワインダーが感触といい滑りといい最高です。風をつかんでラインが出ていく時の爽快感にはたまらないものがあります。機会があればぜひ試していただきたいのですが、日本の(米国でも)アマゾンでは売ってない…

PrismKite社のサイトの直販か、

https://prismkites.com/product/hoop-winder-hoop-b/

あるいは日本ではカイトワールドでPrismのワインダーは入手できます。

www.kiteworld-jp.com

「フープワインダー」「ラージフープワインダー」として紹介されているものです。付属のラインの違いについてはこの後で説明します。

 

3.ライン(凧糸)とその結び方は重要

 

ワインダーと並んで、ライン(凧糸)もまた大人の凧揚げでは凧本体以上に重視すべきポイントです。

 

現在の凧揚げで使われる一般的なラインは「ダクロン」「スペクトラ」の二種類あると考えてください(スペクトラは「ダイニーマ」と呼ばれることもあります。製品名が違うだけで同じ繊維です)。

他に「ケプラー」というラインも凧には使われますが、これは揚げる用のラインではなく、凧自体の結び糸などに使われることが多い糸です。

 

ダクロンは比較的安価で丈夫な一方、使っているうちにやや伸びる(それでも綿糸など天然繊維の凧糸に比べれば伸びにくいです)という特徴をもちます。

スペクトラは伸びに強く軽い一方で、ダクロンより高価になるという特徴があります。

 

一般にシングルラインカイト用のラインは、長さが重要になりますので(100m以上は必要)、コスト的な観点からダクロンをもちいるケースが多いようです。

それに対してマルチラインカイトでは複数のラインの長さが常にぴったり揃うことが操作性の上で重要な一方で、ライン自体の長さはそれほど必要としないため(20m~30m程度)、スペクトラが用いられるのが通例です。

 

ラインの強度は一般的にポンド単位(lbと表記)で表します(これは現在のスポーツカイト文化がアメリカ由来であることに起因します)。1ポンド=約0.45キログラムです。

例えば30ポンド(30lb)のラインは、30ポンド(約13.6キログラム)以上の重さがかかると耐えられず切れてしまう、ということを意味します。またラインに結び目を作ったりラインを折り曲げたり踏んだりを繰り返すとその分強度は弱まります。

ラインはただ強ければ強いほどよい、というわけではありません。強いラインはその分太く重くなり、小さな凧だとラインの重さのために上がりにくくなることもあります(ラインは長くなると意外に重さを感じるものです)。ある程度の幅で融通は利きますが、基本的には凧の大きさに合わせたラインを選択するのが重要です。

 

私は1.で紹介した愛用のタコの凧(幅70cmほど)には通常30lbのスペクトララインを使ってます。

釣り用のこのラインの30lbをリールワインダーに500m巻いて使っています。高度を出すためにダクロンではなく同じ強度ならより軽いスペクトラ(ダイニーマ)を使い、かつ染め分けラインで現時点の高度(糸の長さ)が把握できるようにしています。

さすがにまだ500mすべて揚げたことはないですが…(300mくらいが最高です)。

ただスペクトララインは同じ強度でも細くなるので、30lbくらいの極細だと後述するラークヘッドノットを結びにくい(そして解きにくい)のが難点ではあります。シングルラインカイト用には初心者はダクロンがよいでしょう。(マルチラインではスペクトラ一択です)

 

風の強さにもよりますが、1-1.5m幅程度までの通常の大きさのシングルラインカイトは30〜50lb程度のラインで十分対応できるように思います。余裕をもって60lb程度のラインであれば小さな凧から大きな凧まで幅広く対応できるでしょう。

上で紹介したこのワインダーセットには60lbのダクロンラインがセットになっており、初めて凧揚げする大人の最初の装備にはちょうど良いでしょう。そのあとに様々な凧を導入しても幅広く対応できるかと思います。

(3月9日注記:現時点で上記リールワインダーの「60lbライン付きセット」はアマゾンでは売り切れのようで、リールワインダー単体のものだけ在庫があるようです(米アマゾンにはライン付きがあります)。購入の際はご注意ください。同じシリーズの22cm直径のワインダーならライン付属セットはまだありますし、リール単体と下記のようなダクロンラインを一緒に購入してもよいです)

 

物足りなくなればより長い(あるいは強い)ラインを単体で購入することもできます。この50lbラインは300mあり、シングルラインカイト用としては高さは充分以上です。こういった装備の細部に凝り始めると(どんな趣味でも同じですが)実に人生楽しくなりますね…

EMMAKITES ダクロンライン 300Mロール 50lb / 22kg

EMMAKITES ダクロンライン 300Mロール 50lb / 22kg

  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

私は30lbスペクトラリールのほか、強風時あるいは大型凧用に120lbダクロンを300m巻いたリールワインダーも併用しています。

大型凧といえば例えばこんなの。

これは現在品切れですが、さすがに3m幅近くもある凧には100lb程度のライン強度が必要でしょう。

この大型凧は大変に頼もしい揚力なので、GoProクローンの安物アクションカメラを装着し、カイトフォト(上空高く揚げた凧から地上を撮影する)用として使っていますが、これまたとても面白いカイトフォトの詳細はまたいずれ。

 

このように大人の凧揚げでは、凧の大きさや風に応じて、複数のラインワインダーを用意し複数の凧を付け替えて揚げることになるので、ラインと凧をしっかり結べて、かつ容易に解けるような結び方をマスターしておく必要があります。

ラインと凧との結び方は、ラークヘッドノットという結び方が一般的です。凧揚げする人はかならず覚えておきましょう。以下に説明があります。

jblog.takoaki.com

凧にリング金具などが付いておりそこにラインの輪っかを通すようなタイプの凧もありますが、ラークヘッドノットで結ぶ方が強度的にも重量バランスの面からも合理的と思います。金具などは使わず、ラークヘッドノットで結べるようにする方がよいでしょう。

 

4.風速計、風速、凧揚げの場所

 

あと、風速計もあると便利ですね。私はこれを愛用してます。

 (別メーカーの似たような製品が多数ありますが製造元はどこも同じと思われます)

 

だいたい2.0m/s以上の風がコンスタントに吹いていれば最初に紹介した4mタコの凧は揚がってくれます。

5.0m/sを超えるとちょっと怖い。その場合はラインをより強いものに付け替えます。

慣れると風力計無しでもだいたい何m/sくらいか体感で分かるようになってきます。「風が読めるようになる」のも凧揚げの楽しみです。

 

大人の凧揚げですので子供のように走って揚げたりしません。適当な風が吹くところを探し、風を待ち、スッとあげます。

ラインを引く動作によって凧は上昇します。「くいっ、くいっ」と風に応じてラインを引いてやり、上昇する風に乗ればラインを出していきます。基本はその繰り返しです。

地上近くの風はガスティな(乱れている)ことが多いですが、数メートルから十数メートル上空には一定した風が吹いています。その安定した風をつかめば凧は自然と上昇していきます。

 

 

凧揚げに適した場所ですが、もちろん上空に電線などがあるような街中ではやってはいけません。広場や公園で高い木などがなく、一定の風が吹くところが最適です。

もっとも好適なのは海岸です。一定の風が吹いている場合が多いです。昼間より気温が変化する朝方や夕暮れによい風が吹きます。海岸に比べると山地は風が回って安定しないところが多いです。広い河川敷もよいです。

あちこち凧揚げフィールドを探していると「どういう地形でどういう風が吹くか」がなんとなくわかってきます。見慣れた場所が全く別の新しい視点で見えてくるようになるのも凧揚げの魅力です(これはスケボーで路面を滑ることなどもそうですが、「空間の読み替え」は実に楽しいものです)。

 

私は関西に住んでいるので大阪湾岸のいくつかの海岸を凧揚げフィールドにしています。

・甲子園浜(北岸と南岸があります。ウインドサーフィンのメッカでもある)

・南芦屋浜(現在台風被害の影響でかさ上げ工事中のため使えません…)

・尼崎の森中央緑地(芝生広場で気持ちいいです)

・りんくうマーブルビーチ(白い丸い石が敷き詰められたビーチで関空からの飛行機を眺めながら凧揚げも乙)

などですが、個人的に最高なのが

・堺浜海とのふれあい広場

ですね。堺のシャープ工場の裏手の広い芝生公園です。大阪湾の一番奥に位置し、一定したよい風が吹き込む凧揚げには最適の環境です。関西のスポーツカイトのメッカでもあり、デュアルラインやクアッドラインを揚げているチームがしばしば見られます。

いずれも駐車場が完備されています。尼崎や堺浜は無料です。

大阪ではあとは淀川河川敷公園などもよさそうですね(揚げた経験はないですが)。

他地域については場所の知識がありませんが、冬場に季節風が吹く日本海側の海岸が凧の本場とされているようです。大きな凧大会も日本海側で行われることが多いです。

 

旅行先で凧揚げできそうな広々とした場所を探すのもひとつの楽しみです。

昨年の夏は家族旅行で赴いた沖縄の古宇利島のビーチで、家族が泳いでいる横で海にも入らずずっと凧揚げしていました。

沖縄の夏の青空に揚がる凧の爽快さといったら控えめにいって最高です(沖縄の海岸は夏も素晴らしい風が吹いて気持ちいいです。少なくとも大阪湾岸の海岸には夏はほとんど風が吹かないのです…)

 

5.まとめ

 

以上あれこれ書いてきましたが、これから凧揚げを始める大人には、とりあえずまずこの二つだけでいいので買って始めてみるとほんまに楽しいのがわかるよ、とおすすめしておきます(凧本体は好きなカラーを選ぶとよいでしょう)。

(3月9日注記:上記のリールワインダー(糸巻き)は現在、ライン(糸)が付属しないワインダー単体のものしか日本のアマゾンに在庫がありません(米アマゾンにはあります)。本記事の3.を参考に50lbから60lb程度のダクロンラインを追加購入し装着してください。または同じメーカーの

 やや大きいサイズのこの製品でしたらライン付きセットはまだありますのでこちらもどうぞ。120lbのかなり丈夫なライン付きです。3.で書いた私が使っている強風用セットはこれです。ライン付きが欲しい場合「糸巻きと糸セット」を選択しましょう)

 

あとはラークヘッドノットを覚えるだけです。

糸の結び方 ラークヘッドノット | 凧−手作りの魅力 作り方からうんちくまで

 

凧とワインダーセットを合わせて2800円程度ですが、リールワインダーと60lbダクロンラインで揚げるフォイルカイトの感触は、子供の頃のゲイラカイト経験と「まったく違う」と感じられることでしょう。

凧揚げが単なる子供の遊びではなく、「風を味わう」大人のレジャーであることを堪能いただけることかと存じます。

 

デュアルラインカイト(これもまた実にヤバいです。人生狂わせる)やグライダーカイト(無風でも飛ぶ)、シングルラインスタントカイト(シングルラインなのにマルチラインのような凧のコントロールができる)などについてもご説明したかったのですが長くなったのでこの辺で。

もしこの記事がたくさん読まれるようでしたらまた続きを書くかもしれません。

 

では新型コロナ騒動に負けず、楽しい凧揚げライフをお楽しみください!

芸術家は科学者なのだろうか

今年度から文科省の「研究不正行為ガイドライン」に基づいて、大学に所属する研究者はみな研究倫理教育を受けることになっている(受講しないと科研費の申請ができなかったりする)。うちの大学でも講演会の形式でおこなわれたので行ってきた。

講師は札野順氏。日本学術会議「科学者の行動規範」(2006年)の策定に関わった技術倫理の専門家である。

最初は「倫理教育なんてうぜえなあ」とヤンキーがダルい授業に出席する的なモードだったのだが予想外にお話が面白く、「へー」「なるほどー」とうなずきながら聞いていた。アメリカの研究倫理教育の現状や札野氏が実際に行ってきた倫理教育の授業の内容など大変に面白く、また倫理規程の二類型(「法令遵守型」と「価値共有型」)の対比などはほんまにそのとおり、と思った。簡単に言えば前者は性悪説システム、後者は性善説システムで、どの国でも前者に始まりだんだん後者に移行するけど日本は、とか。

最後の方は、本人もゆうてはったが自己啓発書みたいな「あなたにとって幸せって何ですか?」という話になったけど(笑)それはそれで面白かった。

ただ一つ気になったことがある。日本学術会議「科学者の行動規範」の策定過程についていろいろお話をうかがい興味深かったのだが、そこで「科学者」の定義について少し触れられた。

札野氏は「この規範における『科学者』とは、狭い意味での自然科学者だけでなく、知的能力や知的技能によって新しいものを生み出す全ての人々を念頭に置いています。人文社会科学者ももちろん含まれます」とおっしゃっていた。

研究倫理を制度として整備する人は必ずそういう。「これは理系だけでなく文系の研究者にも共通することです」という。しかし、巨額の研究費を取ってきてチームで特定の研究課題に取り組む多くの自然科学者の営みと、微々たる研究費で買った本を読みふけり個人で研究を進める人文学者の日常は、「同じ研究者」と言われても実際には多くの側面で異なる文化やルールや規範に則っている。

全ての研究者に共通する「研究倫理」が唱えられるとき、人文学者はしばしば「これはうちの業界にはぴったりとはフィットしないよなあ」と内心で思っている。それでも仕方ないので数十万円の研究費のために、自分たちを必ずしも中心的な対象としない「研究倫理」教育を受け、膨大な書類を書きハンコを押す毎日を送っている。

でも、相対的に属人性が強い知的活動を行っている人文学者には、異なった倫理規範とまでは言わないまでも、自然科学者が念頭におくのと違うところに重点をおいて自らの研究倫理を考えているのが実態ではないか。例えば自然科学者が「研究不正」と聞いてまず想定するのは捏造と改竄だが、人文学者にとって身近な研究不正はまずもって剽窃である。まあ対象とするテクストを改竄する不正もないではないが、引用論文やインタビューをでっち上げる捏造に手を染める人は少なかろう。

札野氏の「全ての研究者は科学者です」という話を聞きながら、私は前にいた教育大学のことを思い出していた。教育大には音楽科や美術科があり、実技教育を指導する教員がいる(もちろん彼らも論文を書くし論文も指導する)。彼らは「科学者」なのだろうか。「学術研究者」ではあると思うけど。そういった、「科学の周縁に存在しながら、知的能力や知的技能によって新しいことを生み出す人々」は科学者の研究倫理を共有することができるだろうか。「科学者の周縁の端っこの端っこの境界線ってあるのかなー」。そういったことをぼんやりと考えていた。

「日本学術会議」の英訳ってScience Council of Japanなんやな。学術をScienceとして考える人たち。私はその考えを否定することはないが、自分はそこではどっちつかずの周縁にいるのだなあといつも感じる。

日本ポピュラー音楽学会第26回全国大会(JASPM26)ワークショップ

12月7日(日)に学習院大学で開催される日本ポピュラー音楽学会全国大会(JASPM26)にて、佐村河内事件をテーマに下記のようなワークショップを開催いたします。非会員の方も参加できます(参加費かかるけど)。ぜひお越し下さいまし。

JASPM26についてのお知らせはこちら → http://jaspm26.wiki.fc2.com

▼佐村河内事件を考える――クラシック音楽のポピュラーな受容と作者性
12月7日(日)10:00~13:00 於・学習院大学百周年記念館3F

司会・問題提起者:増田聡大阪市立大学:コーディネーター)/会員
問題提起者:平田誠一郎(関西学院大学)/会員
問題提起者:小川博司関西大学)/会員
討論者:鈴木淳史(音楽ライター)/非会員

 2014年2月、クラシック音楽の作曲家として著名であった(また、その壮絶なライフストーリーに注目が集まっていた)佐村河内守氏の作品について、作曲家の新垣隆氏がゴーストライターとして作曲したものであった事実が明らかとなった。新垣氏、佐村河内氏はそれぞれ記者会見を行い、その模様はマスコミでスキャンダラスに報じられたことは記憶に新しい。
 本ワークショップでは、この事件から浮かび上がる諸問題を討議する。「受苦し苦悩する偉大なアーティスト」という大時代的な物語が商業的な成功を生み出す構図がここまで端的に示され、また瓦解した例は稀であろう。事後、マスメディアや識者からさまざまに「騙されていたこと」への反省が示されたが、むしろ「受苦し苦悩する偉大なアーティスト」の存在を歓迎し、過剰な物語化を進んで行なうわれわれの文化受容のロマンティックな土壌こそが佐村河内氏を生んだ、とはいえまいか。
 現代社会におけるクラシック音楽は決して「社会と無関係な純粋芸術」ではない。むしろこんにちのクラシック音楽産業は、西洋近代が作り出してきた自律的芸術のイデオロギーを、様々なかたちで流用し、利潤へと繋げている。いわば今回の事件はこの「純粋な芸術を売る」仕組みを浮き彫りにしたものとはいえまいか。クラシック音楽に限らず、ポピュラー音楽にも共通するこのロマンティックな物語へのわれわれの欲望とそれを取り巻く文化産業の共犯関係、この現状を検討することが本ワークショップの主題となる。
 また本件は、「音楽の作者性」についても興味深い問いを投げかける。佐村河内氏は「指示書」を作成し、それに基づいて新垣氏が実際の作曲作業を行なった、とされる。見方によってはタレントのゴーストライター本などで日常的に行なわれている制作過程ともいえようが、これが醜聞として受け取られる背景には(クラシック)音楽固有の作者性、それにまつわる倫理観などが作用している。さらに、事件発覚後に佐村河内作品の録音や関連書籍が出荷停止や絶版となったことは、(おそらく1999年の槇原敬之の薬物事件以降目立つようになった)「音楽の作者のスキャンダルに伴って作品を謹慎させる」動向の系譜に位置づけて考えることもできるかもしれない。本事件をもとに、剽窃、捏造などとも関連する「創作の倫理」の現状についても幅広く議論を行ないたい。
 増田はポピュラー音楽の作者性や作品性に関する美学的な諸問題に関心を持つが、その立場から今回の事件が投げかける論点を整理する。平田はクラシック音楽文化の社会学的研究の観点から、この事件についてのマスコミ報道を一覧することで、佐村河内事件の問題点がいかなる形で社会に水路づけられていったかを確認する。小川は音楽社会学者であると同時に、事件発覚前に「佐村河内ファン」であった立場から、音楽への愛着が倫理的問題によって被った影響について語る。さらに、クラシック音楽ライターとして『クラシック批評こてんぱん』(洋泉社)など多数の著書があり、広闊で柔軟な視点に定評のある鈴木を討論者として招いた。鈴木はクラシック音楽業界の近年の動向を踏まえつつ、この事件の背景にある構図を掘り下げる議論を加えることになる。
 フロア諸氏の積極的な参加と討論を期待したい。

「大きな物語はなくなった」というけれど

業績主義がはびこっているので若手中堅が発表する研究会がすごく増えた。学会だけじゃなく小さな研究会がとにかくいろいろな会合を週末毎に開催している。今日もひとつ研究会のチラシが入っていた。遠い海外のある地域で長年フィールド調査を行っているらしい若手研究者で、ある音楽ジャンルについての専門家であるらしい。そこにはトランスナショナル/ローカル、再帰的近代化、グローカリゼーション、云々といった流行の用語が並んでおり、そのような理論的視角にその音楽ジャンルを位置づけて論じる、といった主題であるらしい。
たぶん、その若手研究者が研究したいのは、遠い海外のある地域のある音楽ジャンル「そのもの」なのだろう。だが業績主義の昨今では、日本から遠く離れた地域の、日本では聞かれることもほとんどないその音楽を研究する意義はとても主張しにくい。「そんなこと研究して何の役に立つんですか?」でおしまいである。
だからそこでグローカリゼーションだのトランスナショナルだのといった「大きな物語」が頻繁に呼び出されることになる。日本とまったく関係なさそうに見える遠い地域の遠い音楽も、「大きな物語」を介して関係性を持っているのです、あるいは遠い地域の遠い音楽も、日本の慣れ親しんだ文化も、「大きな物語」の中で共に翻弄されるのが文化の現在なのです、等々。
ポストモダンこのかた「大きな物語は終わった」というけれど、むしろ個々の研究者が自分の狭いフィールドを掘り下げようとするとき「大きな物語」の看板が必要になる、という機会はむしろ増えている。ただその「大きな物語」の役割は昔とは大きく違っている。
その「大きな物語」はたぶん誰も(昔のマルクス主義や近代化論と違って)まじめに信じているものではない。誰も信じていない看板としての「大きな物語」。「グローバル化」云々というのはそういう現代のお伽噺の一つだ。

日本ポピュラー音楽学会ワークショップのお知らせ(12-11-27追記あり

日本ポピュラー音楽学会第24回全国大会(12/8-12/9、於 武蔵大学社会学部)でワークショップを行います。詳細は下記の通り。

▼ワークショップC  1号館2階1201教室
 12/9(日) 14:00〜17:00

ポピュラー音楽の美学と存在論―今井論文をめぐるオープン・ディスカッション

問題提起者:増田聡大阪市立大学:コーディネーター)
問題提起者:今井晋(東京大学大学院)
司会・討論者:谷口文和(亜細亜大学短期大学部


 近年の日本のポピュラー音楽研究の発展は、主に社会科学あるいは文化研究的な研究関心を中心としつつ展開してきているといえる。そのなかで、今井晋が今春発表した論文「ポピュラー音楽の存在論―《トラック》、《楽曲》、《演奏》」(『ポピュラー音楽研究』Vol.15、2011)は、このような研究状況の中で相対的に手薄であった美学的アプローチに則り、正面から「ポピュラー音楽の存在論」を展開した論文として注目に値する。
 ポピュラー音楽に関する美学的アプローチの(日本語圏の)先行研究として、今井論文は細川周平『レコードの美学』(勁草書房、1990)、増田聡『その音楽の〈作者〉とは誰か』(みすず書房、2005)を挙げ、両者のいずれもが主要な検討対象として扱ってきたポピュラー音楽の存在論に関する議論を深化させた。両先行研究の理論的な問題点を今井論文は次のように指摘する。細川著は、ポピュラー音楽の美学において重要な「サウンド」概念を作品概念と対立的に位置づけるあまり、その聴取における主観性が強調されることでポピュラー音楽の存在の同一性の基盤を堀り崩しているとする。また増田著については、ライヴ文化/ディスク文化という「二つの音楽文化・二つの作品概念」の対比を強調することによって、現にポピュラー音楽の聴取者が両者を同時に鑑賞している実情を捉え損なっているとしている。
 このような細川・増田の批判的検討を踏まえ、ライヴ鑑賞およびレコード鑑賞において「鑑賞の対象となっているもの」を、分析美学的な手法によって《楽曲》《演奏》《トラック》の三つの存在者として摘出し、統一的な論理のもとに整理する今井論文は、日本語圏のこれまでのポピュラー音楽への美学的アプローチの問題意識を踏まえ、批判的に継承しつつ次の議論へと開こうとする論文であるといえよう。であるならば、議論は継続されなければなるまい。
 本ワークショップは、今井論文の姿勢に触発された増田が提案したものである。今井論文中にある増田への批判に対し討論にて直接応答すると共に、ポピュラー音楽への美学的アプローチが持つ意義と展開可能性を議論することを目的としている。
 まず、今井が本論文の概要と執筆の背景を簡潔に概説した後、増田は厳密な存在論的立場に立つ今井論文に対して、ややゆるやかな唯名論的立場に立ちながら、今井論文の批判に応答する。主に(今井論文が批判する)増田著の議論の背景を示しながら、「二つの作品概念」のメリットを擁護するとともに、今井論文の《トラック》概念が、(増田著のいう)ライヴ文化とディスク文化の交点ともいえる位置にあることを示そうと考える。いくつかのポピュラー音楽の録音物のリミックス/リマスタリングの実例検討を通じて、今井論文が「制作者の意図と機械的複製の過程」によって維持されるとした《トラック》存在の同一性が、「二つの作品概念」のせめぎあいの中で揺らぐ実例について、今井論文とは異なるかたちでの解釈を提示する予定である。その上で、今井論文の提出した論点の展開可能性についてメディア論の立場から意見を述べる。それを受けて今井の再反論が行われ、さらに、今井論文が援用する論文「レコード音楽がもたらす空間―音のメディア表現論」の著者である谷口がコメントを加えるとともに、三者およびフロアを交えた議論が行われることになるだろう。議論はあらかじめの筋書きに従うのではなく、対象と論点を提示した上で自由に行われる。
 なお、本ワークショップ参加者は、『ポピュラー音楽研究』Vol.15(2012年3月に会員には配布済み)所収の当該論文を持参の上、討議に参加されることをお勧めする(非会員には当日コピーを配布する予定)。今回のように、ひとつの論文をめぐってワークショップが行われるのは本学会では最初の試みである。より密度の濃い意見交換の場とすべく、フロア諸氏の議論への積極的な参加を期待したい。


【参考】
今井晋「ポピュラー音楽の存在論――《トラック》、《楽曲》、《演奏》」の要約
(『ポピュラー音楽研究』Vol.15,2011,pp.23-42)

本稿では音楽の哲学における存在論の議論を参考としながら、ポピュラー音楽のライヴ鑑賞とレコード鑑賞における対象の存在論的性格と関係を明らかにする。ポピュラー音楽の鑑賞の対象として《楽曲》・《演奏》・《トラック》という存在者があることが明らかになり、ライヴ鑑賞においては、《楽曲》と《演奏》の間に、レコード鑑賞においては《トラック》と同一の録音物の《再生》、および《楽曲》と同一の録音物の《再生》間それぞれに、タイプとトークンという一般的な存在論的関係があることも示される。さらに以上の存在者と関係を用い、ライヴやカヴァー、リマスターなどのポピュラー音楽の実践を統一的に説明する。

【今井論文の主要参考文献】
増田聡,2005,『その音楽の〈作者〉とは誰か――リミックス・産業・著作権みすず書房
増田聡・谷口文和,2005,『音楽未来形:デジタル時代の音楽文化のゆくえ』洋泉社
細川周平,1990,『レコードの美学』,勁草書房
谷口文和,2010,「レコード音楽がもたらす空間―音のメディア表現論」,『RATIO SPECIAL ISSUE 思想としての音楽』,講談社,pp.240-265.


日本ポピュラー音楽学会第24回全国大会(JASPM24)のサイトはこちら
http://jaspm24.wiki.fc2.com
非会員の方も(上記ワークショップを含む)全国大会に参加できます。


上記ワークショップに参加される方は、事前に今井晋「ポピュラー音楽の存在論――《トラック》、《楽曲》、《演奏》」(『ポピュラー音楽研究』Vol.15,2011,pp.23-42)を読んでおくとよいとおもうよ!会員の皆様には3月にお手元に届いているはずです。
非会員の方は…たぶん今井くん(http://d.hatena.ne.jp/shinimai/)がそのうちPDFで読めるようにしてくれるんじゃないかな…ま一応当日配布する予定ですが。

久しぶりに作品概念やレコード音楽について正面から議論することになりそうです。非会員のみなさまもぜひとも議論にご参加いただけましたら幸いに存じます。

12-11-27 追記
今井君が論文を公開してくれました。感謝!これご参照+ご持参でお越し下さい。
https://docs.google.com/open?id=0B2BZsarxhk7bYmQxbDlJcXZaVTg

12-11-27 さらに追記
吉田寛君(感性学・立命館大学准教授)が今回の議論に関連する論文「われわれは何を買わされているのか:新リマスターCDから考えるビートルズの「オーセンティシティ」」を公開してくれました。こちらもぜひご参考ください。討議で触れることになります(たぶん)
https://docs.google.com/file/d/0B1n_R0jRG9oBRmN5UW5SbU1WWVE/edit?pli=1

読者プレゼントの季節がやってまいりました

京都精華大さんとこでやってるポピュラーカルチャー研究会で去年の4月にやったシンポジウム「パクリ:ポピュラー・カルチャーにおける模倣と流用」の報告書『ポピュラーカルチャー研究』Vol.4 No.1が出ました。刊行まで一年近くかかったのはひとえに私の校正が遅れたせいでございます。深くお詫びもうしあげます。でもまあパクリ研究的にはかなり面白い議論でありました。
非売品ですがいくつかの大学図書館には収蔵されるはず。まとめて送ってもらったのでここ読んでる方々にまたプレゼントいたします。メールで「なぜこの報告書が必要か」を簡単に書いていただいて送付先教えてください。先着順+必要度を勘案して10名程度の方々にお送りさせていただきます(送料無料)。

あけましておめでとうございます(笑)1月に二人目の子供が生まれました。男。年度末校務と家事オヤジをしばらくやってましてその間の記憶は定かではない。たぶんツイッターが記録してくれてると思います。
最近ご恵投いただきました。どうもありがとうございました!

沈む日本を愛せますか?

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メディア・コミュニケーション論 (シリーズ メディアの未来)

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万葉歌木簡を追う (大阪市立大学人文選書2)

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うちの学部で出してる選書シリーズです。
音楽のカルチュラル・スタディーズ [単行本]

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  • 作者: マーティン・クレイトン,トレヴァー・ハーバート,リチャード・ミドルトンほか,若尾裕,若尾裕ほか
  • 出版社/メーカー: アルテスパブリッシング
  • 発売日: 2011/02/28
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原書を積ん読しているうちに翻訳されるパターン。こんどこそ読みます…アルテスさんはほんまに「今」の音楽研究者と同じ目線で出す本をセレクトしてくれはるのでありがたいです。