白田秀彰「ほんとうの知的財産戦略について(暫定公開版)」
http://orion.mt.tama.hosei.ac.jp/hideaki/pdf/trueheritage.pdf

今すぐ黙って読め。白田さんほど言葉の正しい意味で「ラディカル」な人を私はあまり知らない(内田樹さんもそうだけど、両者に共通しているのは、他人からは常にふざけているように見えるのにいつでも大まじめな点ではなかろうか)。



ウィルヘルム・プラーゲ―日本の著作権の生みの親

ウィルヘルム・プラーゲ―日本の著作権の生みの親

やーすごい。ある意味奇書。プラーゲ旋風のドキュメンタリーと思って読んでみたらこれが血湧き肉踊る一大ロマン。ほんのりお色気シーンすら盛り込まれた、日本に著作権を根付かせたドイツ人をめぐる波乱の物語。「歴史の事実を重んじ、その流れに沿いつつ、物語を綴った。事実と事実の空間と隙間をその状況と時代背景から推理して紡ぎ合わせ、わたしなりのプラーゲ観をもって、小説とした」(10頁)。一応法的な経緯については事実に即してると思うんだけど…。日独同盟を受けた軍部の圧力vsプラーゲ排除の国内音楽産業の意を受けた内務省、みたいな対立はどうなんだろうか(お話としては面白いけど)。まあ、人間ドラマとして著作権史を読み替える、というのもありといえばあり。論文の参考文献には使えなさそうだけど(笑)