あーほんま忙しかった。ようやくちょっと一息つけるようになりました。
この間ほんまに思ったけど、日常的に書いてないと原稿仕事がおっくうになってしまうんですよね。いかんいかん。リハビリだ。読むだけじゃ駄目だ。というわけでこの間読んだり頂いたりした本の感想をちょぼちょぼと記しておきます。


下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち

下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち

信者による教典紹介その一。すげー売れてるそうですね。いいなあ(こんどまたおいしいものを食べにいきましょう内田さん(笑))。中身についてはほんまに面白くてあちこちで言われてることに付け加えることはないんですが、あまり言われてないことを一つ指摘しておきたい。この本のポイントはなんといってもこの表紙だ!平台でたくさん並んでるとすごいインパクトあります…


狼少年のパラドクス―ウチダ式教育再生論

狼少年のパラドクス―ウチダ式教育再生論

信者による教典紹介その二。連続して教育論が出たけどこちらは過去のブログの抜粋なので、内田さんの「過去の思考」の変遷が見て取れて面白い。最後のインタビューが遠慮がちなのを捉えて「日和った」とかいう人もいるんだろうけど、むしろ「内田さんですら日和らざるをえない文科省(というかお上)の大学への縛り」をこそ読むべきだと思うのです(別に具体的個人的にそれで何か困ってるわけではないんですが)


文化の社会学 (有斐閣アルマ)

文化の社会学 (有斐閣アルマ)

今日買っていま読んでるもの。さいきん社会学系の書き物を読んでなかったので、1、2章の学説整理のアップデートっぷりにきょうびの「文化社会学的言説のコモンセンス」を感じるところ多し(たとえば吉見氏の『メディア時代の文化社会学asin:4788505061(94年末)と読み比べるだけでも、この10年で何が変わったか得るところが多いように思える)。まだ途中だけど成実弘至「ファッション」と岡田宏介「音楽」に触発される。あまりファッション論はフォローしてないんで、社会学的なファッション把握を教科書的に整理していただけると、iPodなり携帯なりの普及で「作品」から「ファッション」に移行したこんにちの音楽を捉えるのにアナロジーが効きそう(トリクルダウンからボトムアップの移行なんて、ファッションに遅れていま音楽ではまさに進行中なのだ)。岡田くんのも相変わらずエッジが効いて気持ちいい。ただ「洋楽」の位置が機能的に捉えられてる分だけ、例えばそれを「インディーズ」のような「パンピーが触れられないコアなもの」の領域にそのまま取り替え可能なのかも?とかすこし思った。となると「洋楽/邦楽」のカテゴリー区分は、理論的なものというよりむしろ歴史的なものとして映ってくるんではなかろうか?とか。