4月30日のユリイカ「ブログ作法」特集打ち上げトークショーにご来場いただいた皆様へ


先日の表記のイベントには、多数の皆様にご来場いただきましてありがとうございました。出演者の一人として御礼申し上げます。
さて、イベント終了後、主にネット上で本トークショーへの多数のご感想やご意見、ご批判をいただきました。それらの全てについて十分お答えすることは難しいのですが、出演者の一人としての立場から、このトークショーについて簡潔に振り返っておきたいと思います。

トークショーは、ユリイカ「ブログ特集」企画者の郡淳一郎氏が開催を発案し、人選を行ったものです。増田も他の出演者のリストを確認した後に出演に同意し、4月28日に(別件で顔を合わせることになっていた)郡氏、栗原裕一郎氏、増田、速水健朗氏の4人で打ち合わせを行いました。対面状況での打ち合わせはこの時の一回の他には、当日全員が揃った控室での(台本に基づいた)進行確認しか行っておりません。つまり、トークショーの方向性についての対面状況での議論は、28日の4人が行ったもののみ、ということになります(メールのやりとりでは、各出演者が考える方針の提案がありましたが、方向性を決定付ける議論の中心となったのは28日の打ち合わせであったと増田は考えております)。
28日の打ち合わせの席上、トークショーの方向性に関する出演者相互の認識の齟齬が(微妙なものとはいえ)いくつか浮上した、と増田は捉えています。一例を挙げれば、当日前面に押し出されることとなった「文学/社会学」という対立軸の意義についての増田の違和感、などです。しかし増田はそれらいくつかの齟齬をその場で指摘はしたものの、出演者による当日の発言によって解消できる範囲のものと判断し、より厳密に詰めることをしませんでした。
「誰に」「何を」「どのように」提示するか、そのために誰がどのような役回りを果たすか、その点の詰めの度合いを(少なくとも増田が)見誤り、結果的に不十分な態勢でトークショーに臨んでしまったことが、散漫な内容と受け止められた一つの要因ではないか、と現時点の増田は考えていますし、打ち合わせに参加しトークショーの方向性を議論した者としての責任を負うものと考えます。

しかし、全体的には散漫な印象を与えた(とされる)トークショーではありましたが、個々の出演者のお話ややりとり、会場からのご質問・ご意見には、今後の発展可能性を持った興味深い話題が多く含まれていたものと考えております(個人的にも、触発される発言がいくつもありました)。トークショーの方向性へのご批判とともに、当日の具体的な議論の内容についてのご意見やご批判、ご提案を引き続き伺えましたら幸甚に存じます。

いうまでもありませんが、この総括コメントは増田がトークショー出演者、及び28日の打ち合わせに参加した一人としての個人的な立場から表明するものであります。トークショー出演者全員、あるいは特定の出演者の意見を代理・代表するものではありませんので、その点にご留意いただけましたら幸いです。

増田聡