ミュージックマガジンにも告知出ましたが、明日はこれ↓

■ 三井徹先生退職記念論集出版記念シンポジウムのご案内


「ポピュラー音楽へのアプローチ――アカデミズムとジャーナリズムの両面から」
 三井徹×ピーター・バラカン(司会:佐藤良明)


・日時 2005年5月21日(土曜日)15:00〜17:00


・場所 東京大学駒場キャンパス18号館ホール
   (京王井の頭線駒場東大前駅徒歩3分)


・入場無料(予約などの必要はありません。当日お越しください)


※当日は、三井徹(監修)『ポピュラー音楽とアカデミズム』(音楽之友社、5月末発売予定)を割引価格で先行販売いたします。


詳細は、http://homepage3.nifty.com/MASUDA/20050521.htmlをご参照ください。


みなさまのお越しをお待ちしております。

福井健策『著作権とは何か――文化と創造のゆくえ』(集英社新書)ISBN:4087202941

これはとってもいい本です。現役弁護士による著作権概説、なんだけど、よくありがちな「法律の概説」ではなく、ありそうでまともなものが希少な「法と(文化消費者側の)現実とのインターフェイスについての概説」となっている。「模倣とオリジナルの境界」「パロディと盗用の違い」といった俗人的議論を、判例に基づき法実務的な見地から正面切って論じつつ、コピーレフト的動向にまで視野を広げる議論のバランス感覚は特筆すべき。知らなかった重要判例も多々教えられた(『絶対音感』が引用で敗訴してたのもはじめて知った)。美学的な見地からすれば、「オリジナリティ」と「創作性」が区別されてなかったりなど、概念の掘り下げ(そもそもそれらはどういう条件下で措定可能なカテゴリなのか、みたいな検証)は甘く一般通念に依拠するわけだが、もちろんそのことによって本書の価値が損なわれることは全くない。著作権関連書の刊行が増えてる昨今だけど、本質論を見据えた啓蒙的議論はとても少ない(というか、ほとんど見あたらない)ので、ぜひとも必読の一冊としてお勧めです。