カラオケ秘史―創意工夫の世界革命 (新潮新書)

カラオケ秘史―創意工夫の世界革命 (新潮新書)

小著ながらカラオケ研究の定説を塗り替える刮目の新事実が満載の一冊。…と速攻読んで盛り上がったけど、佐藤卓己さんが『ポップ・コミュニケーション全書』(PARCO,1992年)asin:4891943130に書いてたカラオケボックス論文(よう考えたらかなり早い時期にカラオケボックスというか「純粋カラオケ空間」に着目してたことがこの本読んで改めてわかる)でカラオケ起源説の四象限整理やってたの思い出した。あれでこの本に出てくるエピソードは言及されてたっけ…。ちょっとカラオケ研究史(カラオケ史研究、ではなく)をおさらいしておこう。しかしそれでも本書の価値は変わらない。カラオケ機、カラオケボックス、通信カラオケという現在のカラオケ文化を支える三つのイノベーションの誕生のプロセスを当事者の語りによって生き生きと描き出し、かつそれを日本の宴会文化の広いコンテクストに置き直す手腕は烏賀陽さんならでは、である。『Jポップとは何か―巨大化する音楽産業 (岩波新書)』に引き続き必読。烏賀陽さんの仕事を読むといかに学者が直接取材を怠ってきたかを反省させられる(笑)。私もほんの少しお手伝いさせてもろてます(宴会文化研究者の寺田真由美さんの研究を紹介したくらいですが)。

ところで烏賀陽さんと言えばオリコン裁判ですが(いや違うって(笑))、カンパ活動引き続きやっております。本買ったらカンパもぜひよろしくお願いいたします。
http://d.hatena.ne.jp/oricon-ugaya/
改めて宣伝を。最近の会計報告が滞ってすみません…(年内に今年分はなんとかやります)