仕事が重なると指数関数的に「仕事先送りマン」((C)岸政彦)の出現率が増大する私は、いつもながらではありますがほんまに泣きそうな毎日を送っております。つらい。自分(と仕事先送りマン)にしかその責任を帰することができないのでなおつらい。
今日は気の重い懸案のいくつかがちょっとだけ片付いたので、いただいた御本の御礼と感想を書こうキャンペーン!を開催したいのである(すみませんみなさま)。

中学生向け、というけどいきなりCRASSってのはちょっと高度すよ毛利さん(笑)。むしろ高校生とか大学生が読むのにちょうどいいのではないか(逆にその辺の年代のインテリぶった若い人がスルーしてしまうのがもったいないと思う)。ウェブで連載していた記事の書籍化だが、タイトルから受けるハウツー的なイメージはまったくなく、むしろアジビラ(笑)なのである。それも
文化=政治 グローバリゼーション時代の空間叛乱

文化=政治 グローバリゼーション時代の空間叛乱

での議論を現在の日本の実践を事例に再展開したもの、と考えるとちょうどいい。ようするに「ヒマで(じゃないかもしれないけど)面白いことがなにもなくて退屈している若い人」に向けた、マスメディアとか企業とかに頼らなくてもこういう面白いことできますよ、という煽りであり、かつ現代の、身近で手を伸ばせば届きそうな(てゆうか自分でできそうだし)おもろい文化実践の秀逸な事例報告となっている一冊。全編に行き渡るのは、既存の政治運動(主に左翼)とは次元を異にする反体制運動というか、正確にいうなら「体制の脱構築」だな、そういうのの現実的な(つまり楽しい体制変革)やり方を構想し提案するのってありやんか、という明快な姿勢である。ふつーのカルスタな人にありがちな、よその国の偉い人とか本とか事象とか運動とか崇めてネグリっぷり、いや同一化っぷりを誇る(それって既存左翼みたいなマルクスの書いたのの神聖化とどう違うのかよくわからない)なんつうことは一切ない。特に最終章で述べられるDIYとしての政治、というビジョンは触発させられる(別に立候補は簡単、とかそんなんじゃないです)。オレは右翼なので焚書にしたいくらい面白いです(笑)