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ご恵投賜りました。ありがとうございました。
- 作者: 小西潤子,志村哲,仲万美子
- 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
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付記
仲さんや小西さんには申し訳ないんですが、やはり「音楽文化学」という腰の引け方にはちょっとなあ、という気が個人的にはいたします。テキスト向きの本だけに。むしろ「これが音楽学である」と厚顔無恥に宣言してしまうのが山口修イズムではなかっただろうか(笑)。私はある時から自分の専門分野を「音楽社会学」などと限定的に自称するのを無理矢理止めたんですが、それはおそらくは、Musikwissenschaftだのmusicologyだのの訳語の範囲でのみ活動する「日本の音楽学」の領域にとどまっていては、現在の音楽知(それはもちろん感性工学から文化研究、さらには評論にまで至る範囲のものです)に対して、「音楽学」のイニシアチブが確保できないのでは、と思ったからだと思います。むしろ「音楽学」の中身の方を自分の仕事で勝手に塗り変えてしまえ、教育指導要領を外側からでなく内側から変えてしまえ(「音楽史」や「音楽理論」の指し示す対象の方を変えてしまえ)、そして西洋人になんと言われようが「日本語圏では『音楽学』のカバーする領域は広いんですわーははは」と涼しく笑えるようにした方が面白いし楽だし役に立つし意味があるのではないだろうか、とか不遜にも思うわけなのです。おそらく山口先生から私が(勘違いと思い込みを伴って)受け取ることのできた数少ない教えのひとつとはこれだったのでしょう(いかに私が不真面目な学生だったかよくわかりますがそれはもう仕方がありません)。